ワークステーションとサーバーはそれぞれ似たようなコンピューターに聞こえますが、役割が大きく違います。ここでは、ワークステーションとサーバーの違いについてと、それぞれ2つの特徴について簡単に解説します。
違いはそれぞれが持つ役割
ワークステーションが持つ役割は、企業の従業員や研究者がゲーム開発や3DCAD、ディープラーニングなどの高負荷なワークロードを行なえるようサポートすること。
そして、サーバーの役割は、24時間365日いつでも、顧客(クライアント)に対してWebサービスや特定のデータなどを提供することです。それぞれ役割は大きく違いますが、どちらも頑丈で安定した高性能なコンピューターが求められます。
ワークステーションとは
ワークステーションはいわゆる業務用PCであり個人向けではありません。Intel XeonプロセッサやECCメモリ、NVIDIA RTX GPUといった、一般人には持て余すハイスペックなパーツが使われており、全体的に高性能なコンピューターに仕上がっています。3つのパーツについて少し解説します。
Intel Xeon
Intel Xeonとはワークステーションやサーバー向けに設計されたCPUです。個人用コンピューターによく使われるCore Iシリーズよりもコア数が非常に多く、高負荷なワークロードに耐えられるよう設計されています。
また、Intel Xeonは業務用CPUとして設計されているので、AI機能の強化やハードウェアコストを削減するアクセラレーター、エネルギーの削減、開発の簡素化といった企業のビジネスをサポートする機能が組み込まれています。
ECCメモリ
ECC(Error Checking and Correcting)メモリとは、メモリ内で発生するシングルビットエラーを訂正できるメモリモジュールのことです。万が一、メモリ上のデータにエラーが発生し訂正ができないとなると、コンピューターの停止・クラッシュにつながるため、科学技術計算を行うワークステーションや24時間365日稼働するサーバーなどに多く使用されます。
また、ECCメモリを扱う場合は、CPUやチップセットもECCに対応していなければならないのですが、Intel XeonはECCメモリに対応しています。その点も、XeonとCore Iシリーズの違いと言えますね。
NVIDIA RTX
NVIDIA RTXは業務用GPUとして使われます。個人用コンピューターに多いGeforceシリーズは主にゲームやクリエイティブ、ライブ配信に使用されます、
NVIDIA RTXは3Dグラフィックスやエンターテインメント、エネルギー、データサイエンス、医療、通信といった産業など、ビジネス要素が強い用途に使われます。業務用GPUは高性能ですが業務用のため、個人向けのゲームソフトに対しては、うまく性能を発揮できないようです。
ちなみに、ワークステーションには有名企業のソフトウェア動作を保証した「ISV 認証」を持つ製品があったりします。あらゆる面において業務向けですね。
サーバーとは
サーバーもワークステーションと同様に、高性能なPCが求めらるため、ワークステーションに搭載される高性能なCPU、メモリ、GPUを搭載しています。ワークステーションを利用する人は研究者や建築家、クリエイターなどの個人ですが、サーバーは不特定多数の人が利用します。
顧客(クライアント)に対して24時間365日、データを送受信できる状態でいなければならないので、サーバーはワークステーションよりも頑丈で安定して動作することが求められます。もし、サーバーの不調でサービスが機能しなくなると、販売損失やシステム障害に繋がってしまうからです。
まとめ
ワークステーションとサーバーの違いは「ワークステーションは個人が操作する業務用パソコン、サーバーは不特定多数の人にサービスを提供するパソコン」です。
以上、ワークステーションとサーバーの違いについての解説でした。