スマートフォンやPCを、短時間で充電できるUSB PD(USB Power Delivery)ですが、最近では、たくさんの機器に搭載されるようになり、ますます便利になりました。充電スピードが普通の定格充電よりも圧倒的に速いので、好んで使う人も多いと思いますが、そもそもなぜUSB PDだと早く充電できるのでしょうか。
定格充電よりも、出力(W数)が大きいUSB PD
USB PD規格とは、デバイスへの充電を高速にできる特別な規格で、通常の定格充電(USB充電)よりも高かい電力を供給できます。
USB 2.0規格では最大2.5W、USB 3.0規格では最大4.5Wで充電ができるのに対して、USB PDでは最大100Wで充電できます。最大40倍違う電力差が、普通の充電よりも急速充電が圧倒的に速いと感じる要因です。
また、2021年には、最大240Wで充電ができる規格「USB Power Delivery Revision 3.1」が登場しています。(最大100Wは、「USB Power Delivery Revision 3.0」)
USB PD(Revision 3.0)では、5V・9V・15V・20Vの電圧仕様が用意されており、これに3Aあるいは5Aの電流を組み合わせて、スマートフォンやPCへ適切な電力を送電します。最大出力100Wは、20Vと5Aの組み合わせとなり、他にも15W(5V=3A)、27W(9V=3A)、45W(15V=3A)の出力が可能です。
一方で、最新のUSB PD規格であるRevision 3.1では、28V、36V、48Vの電圧使用が用意されており、3Aあるいは5Aの電流を組み合わせて、Revision 3.0よりも高い電力を発揮します。最大出力240Wは、48Vと5Aの組み合わせになりとなり、他にも15W(5V=3A)、27W(9V=3A)、45W(15V=3A)、100W(20V=5A)、140W(28V=5A)の出力が可能です。
USB PD規格を使用する条件
デバイスを急速充電するのに便利なUSB PD規格ですが、この規格を使用するには、「供給側(充電器やモバイルバッテリー)」と「充電するためのケーブル」と「受給側(スマートフォンやPC)」の3つ、すべてがUSB PD規格に対応している必要があります。
ただし、最大出力の数字を合わせる必要はありません。例えば、それぞれの最大出力が「充電器:100W」、「ケーブル:65W」、「スマートフォン:27W」でも、USB PD規格を使用した27Wでの充電が可能です。(出力は、3つの中の一番小さい数字になります。)
まとめ:高い電力供給が可能なUSB PD規格で高速充電!
この記事では、USB PD規格について簡単に解説しました。
最後に、USB PD規格の各電圧はこんな感じです。
USB PD(Revision 3.0)
- 15W(5V=3A)
- 27W(9V=3A)
- 45W(15V=3A)
USB PD(Revision 3.1)
- 15W(5V=3A)
- 27W(9V=3A)
- 45W(15V=3A)
- 100W(20V=5A)
- 140W(28V=5A)
USB PD規格に対応した充電器やケーブルには最大出力数(W)が記載されているので、購入する際は確認してみましょう。
以上、「USB PD(USB Power Delivery)の電圧はいくつ?」についてでした。