近年も進化し続けているモニター製品。テレビを初め、パソコンやゲームのための外付けモニターやタブレット、スマートフォンなどに様々な技術が取り入れられています。最近だと「有機EL」が一番有名ですかね、以前までのスマートフォンには液晶ディスプレイが搭載されていましたが、最近だとハイエンドはもちろん、ミドルレンジクラスのスマートフォンにも「有機EL」ディスプレイが搭載されるのが当たり前になってきました。「液晶」と比べてた際、「有機EL」の方が、色の発色や明るさ、明暗さが段違いなんですよね。
その他にも、アクティブマトリクス方式を用いた有機EL「AMOLED」や、バックライトに用いる「ミニLED」、従来から使われている「液晶」などがありますが、最近よく耳にするのが「量子ドット」です。
テレビやゲーミングモニターなどを中心に「量子ドット」技術を取り入れた製品が登場しており、「量子ドット」という高性能っぽさをイメージさせる名前のため、商品販売のためのPR文言として使われることが多いです。もちろん、外面だけじゃなく中身もすごい技術となっています。
この記事では、そんな「量子ドット」について詳しく解説しつつ、その他の似た技術「ミニLED」「有機EL」「液晶」の3つとの違いや特徴を整理していきたいと思います。
量子ドットとは?
ディスプレイにおける量子ドットとは、直径がわずか数ナノメートルの半導体微粒子を数百から数千個集めた結晶体のことです。独特な光学的・電気的な性質を持ち、サイズや構成元素を変えることで、発光色を自由に調整できることが大きな特徴です。量子ドットは、その小さなサイズと特異な性質から、幅広い分野で注目されている最先端のナノテクノロジーなのです。
量子ドットをモニターにどう活用する?
量子ドットの特徴である、サイズによって発光色を自由に調整できる特徴を利用した製品が量子ドットモニターです。
この量子ドット(半導体微粒子の結晶体)は、青の光を当てると、量子ドットのサイズによって、さまざまな色が発生します。モニターに応用する際は、その中から、色純度の高い赤と緑が発生する結晶サイズに統一した量子ドットをシートに練りこませ、出来上がった量子ドットシートを青色LEDバックライトの前に設置します。そして、この量子ドットシートにブルーの光を後ろから当てることで、広色域の高い映像を映し出すことができます。
液晶だと、後ろから白色発光のバックライトを当てるのですが、量子ドットは青色のバックライトを当てる点が大きく違いますね。
量子ドットの特徴は「自然な色」
高画質なモニターの重量な要素は主に3つ。「解像度」「正確な色再現」「明暗のコントラスト比」です。
量子ドットモニターは、白色LEDを用いたモニターよりも色度図の範囲が広く、自然な色再現ができる点が特徴です。
そのため、「解像度」では4Kや6K、8Kなど。「明暗のコントラスト比」では「ミニLED」と「有機EL」。そして、「性格な色再現」を量子ドットで補うことで、高画質モニターにとって重要な、これらの3つの要素を高次元で実現した製品が誕生するのです!
他の技術について
「ミニLED」
「ミニLED」とは、従来の液晶ディスプレイに使われていたバックライトの代わりに、多数の小さなLEDを用いた技術のことです。
各LEDを細かく制御できるため、暗い部分と明るい部分の差を大きく表現できるようになり、高コントラストの実現が可能となりました。また、特定のエリアの明るさを調整し、映像の暗い部分の黒つぶれや明るい部分の白飛びを抑えたり、高い輝度と広色域を実現できるようになり、液晶ディスプレイの弱点であったバックライトの光漏れによる黒の浮き上がりやコントラストの低いを克服することができます。
上記でも解説した通り、この「ミニLED」と「量子ドットシート」を組み合わせることで、それぞれの特徴を活かすことができます。
「有機EL」
「有機EL (OLED: Organic Light-Emitting Diode) 」とは、有機化合物に電流を流すことで自ら光る現象を利用したディスプレイ技術です。従来の液晶ディスプレイとは異なり、バックライトが不要で、画素一つ一つが自ら発光するため、非常に高いコントラストと広色域、応答速度を実現できます。
最近では、ほとんどのスマートフォンに採用されることが多い技術で、より画面サイズが大きいタブレットやモニター、テレビなどにも搭載されることが増えています。
また、前述したようにバックライトが要らないため、折りたたみスマホや湾曲モニターなど、平面に留まらない近未来的な形状のディスプレイに応用されることもあります。
「液晶」
「液晶」とは、液晶分子の配列特性を利用して画像を表示させる技術のことです。この液晶分子は、電圧がかかっていない状態だと、液晶分子が特定の方向に揃っており、光を透過させます。そして、電圧をかけると、分子の向きが変わり、光を遮断したり、特定の方向の光だけを通したりします。
この液晶分子の配列を電圧で制御し、光を透過させたり遮断したりすることで、さまざまな色や明るさの画像を表示できるのです。
まとめ
この記事では、ディスプレイ・モニターにおける「量子ドット」について解説しました。従来の液晶ディスプレイよりも高性能なことや、「有機EL」に匹敵するポテンシャルを持っていることから、次世代の高画質モニターに必要な技術として採用されています。
最近、MSIから量子ドットを用いたゲーミングモニターが発売されたので、気になる方はぜひチャックしてみて下さい。