パワー半導体について
パワー半導体について簡単に言うと、「高い電圧、電流を扱える半導体のこと」です。主に家電製品や産業機器、自動車に使われ、特に電圧・周波数の変換や、直流・交流の変換に用いられます。近年では、電気自動車や太陽光発電システムの普及など、脱炭素社会への動きとともに、パワー半導体の市場傾向は拡大傾向にあります。
パワー半導体と半導体の違い
パワー半導体と半導体は、どちらも電子の性質を利用した電子部品ですが、用途や構造、動作特性などに大きな違いがあります。
用途
半導体は、電子機器の「頭脳」と例えられるように、情報処理や演算、記憶などの機能を持つデバイスです。具体的には、マイクロプロセッサ、メモリ、ロジックICなどが代表的な例です。
一方、パワー半導体は、電子機器の「心臓」や「筋肉」と例えられるように、電力制御や電力変換を行うデバイスです。具体的には、バイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、IGBTなどが代表的な例です。
構造
半導体は、微細な回路を形成するために、シリコンなどの半導体材料の上に、ドーパントと呼ばれる不純物元素を添加することで、n型半導体やp型半導体と呼ばれる異なる性質を持つ領域を作り、それらを組み合わせてトランジスタなどの素子を形成します。
一方、パワー半導体は、高電圧や大電流に耐えられるよう、電流を効率的に流せるように特殊な構造になっています。また、熱を効率的に逃がすための放熱構造も備えています。
微細化技術が進む半導体は高機能化、小型化が進んでいますが、パワー半導体は大きな電流、電圧に耐えるために小型化には限界があります。そのため、半導体よりもパワー半導体の方がサイズが大きいです。
動作特性
半導体は、低電圧・小電流で動作し、情報処理や演算、記憶などの機能を実現するために、高速なスイッチング動作が求められます。
一方、パワー半導体は、高電圧・大電流で動作し、電力制御や電力変換を行うため、電力が熱になって逃げてしまいます。そのため、電力の低損失や放熱対策など効率的な電力伝送が求められます。
まとめ
パワー半導体は、大きな電流、電圧を扱えるため、主に産業機器や電気自動車に使われます。近年、サスティナブルな社会のための脱炭素の動きが活発になるとともに、パワー半導体の需要も増えるとされています。
以上、パワー半導体と半導体の違いについてでした。