Photonic EngineはiPhone14シリーズから利用できる画像改善機能の一つです。比較的、新しい機能でありDeep Fusionの応用機能とされています。
Deep Fusionについて
Photonic Engineを解説する前に、まずはDeep Fusionについて解説します。
Deep FusionとはiOS 13.2からサポートされた、iPhone 11シリーズ以降で利用可能な画像合成技術のことです。Deep Fusionは、以下の3種類の露光で撮影された計9枚の写真を合成して1枚の高品質な写真を作ります。
- 短時間露光4枚
- 標準露光4枚
- 長時間露光1枚
そして、iPhoneのAチップに含まれているNeural Engineが、これらの画像を機械学習を用いて合成することで、光の当たり方や被写界深度を画素単位で最適することで、高画質な写真へと仕上げます。
また、この機能はカメラアプリや設定アプリには有効化/無効化のスイッチはなく、周囲の明るさが中程度から低度でのときに自動で動作します。
次にPhotonic Engineについて
上記で解説したDeep Fusionは画像処理や圧縮した後の写真データを合成していましたが、Photonic Engineは圧縮前のデータや画像処理をする前の、多くの写真データが残っている段階でDeep Fusionを適用させることができます。
これにより、以下のような点で性能向上に繋がります。
- ノイズの低減: 暗い場所での撮影でも、ノイズを抑えたクリアな写真が撮れる。
- ディテールの向上: 暗い場所でも、髪の毛や衣服の繊維など、細部まで鮮明に描写できる。
- 色の再現性: 暗い場所でも、自然な色合いで写真が撮れる。
Appleは、現行機種の1世代前のiPhone 14紹介ページで、Photonic Engineについて次のように記載しています。
ハードウェアとソフトウェアの緊密な連係により、Photonic Engineはすべてのカメラで明るさが中程度から低度の写真の性能を向上させ、超広角カメラでは最大2倍、TrueDepthカメラでは2倍、新しいメインカメラでは驚異的にも2.5倍、性能が向上しています。
出典:Apple Newsroom 「Apple、iPhone 14とiPhone 14 Plusを発表」
この2倍や2.5倍がどれほどの上げ幅かはわかりませんが、Photonic Engineが写真の画質向上の一因に関わっていることは間違いないでしょう。
まとめ:Photonic Engineとは写真を高品質にする画像改善機能
Photonic Engineとは、中程度から低度の明るさで使用されるDeep Fusionを応用した画像改善機能です。この機能はiPhone14以降の機種でしか使えませんが、設定をいじることなく、自動で機能がONになるので、iPhone14以降の機種を持っている方は、たくさん写真を撮ってDeep Fusionを体験してみてください。