AppleのMacBookシリーズは大きく分けてMacBook AirとMacBook Proの2つに分かれますが、この2つ両方とも最も低いスペックでメモリ8GBを選択できます。(MacBook Proは14インチのみ8GB選択可)
数年前までは、簡単な使い方をするユーザーにとってメモリ8GBは十分なスペックでしたが、現在は十分とは言い切れなくなってきています。簡単なWeb閲覧でも複数のタブを開けば、それなりにメモリ使用量は増えますし、同時に画像編集や動画編集アプリを開けば、一気にメモリ使用量が心配になります。数年間パソコンを使うつもりで購入する人なら、少しでもスペックを高くして購入しておくのが普通です。
つまり、ちょっとでもメモリ不足が心配と感じるならメモリを16GBにアップグレードすればいいということなのですが、MacBookの場合そうはいきません。理由は、Air/Pro共にメモリを8GBから16GBに変えるだけで、追加で30,000円かかるからです。
いくつものランナップ(選択肢)から自分に合ったモデルを選択できることはユーザーにとって、とてもありがたいことです。しかし、8GBよりも16GBを選ぶ人が多くなっている状況で、メモリのアップグレードだけで+30,000円という価格設定は、財布から簡単に出せる金額ではない気がします。また、Airモデルはまだしも、基本的に高いスペックが要求されるProモデルのラインナップに果たして8GBモデルが必要なのか疑問です。
M3 MacBook Proの8GBは他の16GBに相当する
9to5Macさんの過去の記事(2023/11/8)には、Appleの製品マーケティング責任者ボブ・ボーチャーズ氏が中国でのインタビューに対して、次のように述べていると記載されています。
私たちのメモリを他のシステムのメモリと比較することは、実際には同等ではありません。これは、メモリが非常に効率的に使用され、メモリ圧縮が使用されており、統合されたメモリアーキテクチャが採用されているためです。
実際、M3 MacBook Proの8GB は、おそらく他のシステムの 16GB に相当します。たまたまそれをより効率的に使用できるようになっただけです。
引用元:9to5Mac
MacシリーズのMチップに使われているメモリは、ユニファイドメモリと呼ばれているCPUとGPUの両方が使用できる少し特殊なメモリアーキテクチャです。そのため、他社製品のメモリと比べてデータ効率が良いようです。
しかし、ジェイソン・クロス氏はこのデータ効率性を認めたうえで、
「Pro」マシンの場合、8 GB は少なすぎます。 Mac は Windows よりも RAM の効率が高いかもしれませんが、プロのマシンには、プロのタスクに十分なビデオ メモリと、Docker コンテナ、Xcode シミュレータ、または VM に十分な追加の RAM が必要です。
引用元:9to5Mac
と述べているようで、負荷の高い使い方をすることが多いProモデルにとって、8GBは少なすぎるようです。
M3 MacBook Airの8GBは多くのタスクに適している
2024/04/12、IT Houseさんは、Appleのハードウェア エンジニアリング担当副社長であるケイト・バージェロン氏と Mac製品マーケティングチームのエヴァン・バイズ氏とのインタビュー記事を投稿しました。
記事の中で、エヴァン・バイズ氏はIT Houseさんの「今回のMacBook Airの初期構成である8GB+256GBはコストパフォーマンスや長期使用とオフィスエクスペリエンスの観点からあまり親切ではないようです。」という意見に対して、
8GB のメモリは実際には、インターネットの閲覧、ストリーミングやメッセージの送信、写真やビデオの簡単な編集 (カジュアル ゲームやエンターテイメント、ゲームを含む) などの多くのタスクに適している。
生産性関連のアプリの実行など、これらのユーザーシナリオに非常に適したメモリの選択は 8 GB です。
引用元:IT House
と述べています。Appleは高性能なユニファイメモリの特性を活かすことで、少ない8GBメモリでも必要なタスクを実行できるとし、しっかりと8GBの存在に意義を見出しています。
まとめ:Appleは8GBでも、今のラインナップに必要だと考えている
「8GBモデルは必要なのか」について、AirとPro2つについてAppleの見解を書きましたが、結論AppleはAir/Pro両方とも8GBモデルが必要だと考えているようです。理由は、Mチップのユニファイドメモリは他社製品と比べてデータ効率が良く、多くのタスクに適しているからです。
実際、筆者は8GBモデルに関する動画をYoutubeで見ていて、「8GBモデルはみんなが思っている以上に動く」といった声をよく聞くため、ユニファイドメモリのデータ効率が良いというのは本当のようですが、いくらデータ効率が良いと言っても限界があります。
そのため筆者は、本当に簡単な作業しかしないと心に決めている人は8GBで十分だと思います。
逆に、今は簡単な作業しかしていないけど、今後プログラミングや画像編集をやってみたいと思っている人やWeb閲覧で何十個ものタブを開いて作業するといった人、数年間ずっと使っていきたい人は追加で30,000円かかってでも16GBを選んだ方がいいと思います。Macのメモリ容量は後から変えられないですからね。
以上、「MacBook、メモリ8GBモデルはラインナップに必要なのか?」についてでした。