Appleは7月30日にNewsroomにて、携帯電話通信やWi-Fiの圏外でも衛星経由で接続できる安全サービスを発表しました。サービスの内容は、電波が届かない場所にいても衛星を経由して、「探す」アプリ上で友人や家族、緊急通報サービスに居場所を知らせたり、専門の緊急対応スタッフがいる衛星中継サービスと繋げ、代わりに緊急通報サービスに連絡するというものです。このサービスが利用できる機種は、iPhone 14またはiPhone 15モデルで、最初のアクティベーションを行ってから2年間は無料で利用できるようです。Appleによると、2022年の発表以来、この衛星経由の緊急SOSは、すでに16か国で人命救助に役立っているとのこと。日本でも、いざという時にこのサービスが役立つと良いですね。
使い方
この衛星経由での安全サービスは、110または119に発信できない時やサイドボタンといずれかの音量調節ボタンを長押しすることで表示される緊急SOSスライダでの緊急通報サービスに接続できない時に利用できます。
最初に、簡単な質問が何回か表示されるので、ユーザーはタップすることで質問に答えていきます。次に、この質問の回答や高度を含んだ位置情報、バッテリー残量、メディカルID(有効になっている場合)を含んだメッセージを衛星に送信します。このメッセージは衛星中継センターの専門スタッフに届くようですが、このやり取りの記録を緊急連絡先の人と共有できるようです。
衛星の特性上、短いメッセージでも送信するのに数分かかるようですが、iPhoneでは様々な技術を駆使することで、視界が開けた条件下ではわずか15秒でメッセージを送受信できるとのこと。iPhoneには緊急SOSのデモが内蔵されているので、実際には緊急通報サービスへの連絡は行わずに範囲内の衛星と接続して、衛星接続をテストできるようです。興味のある方は、試してみてサービスに慣れておくのも良いですね。
緊急事態が発生していない場合でも、圏外にいるユーザーは上記のテクノロジーを使って、「探す」アプリで自分の位置情報を共有することもできます。使い方は、「探す」アプリを開いて、「自分」タブを開き、上にスワイプし「衛星経由の位置情報」を表示、「自分の現在地を送信」をタップします。
Appleによると、iPhoneでの衛星接続は、衝突事故検出や転倒検出などiPhoneやApple Watchで利用できる他の機能とも連携するとのこと。こんな感じで、どんどん衛星通信が普及していくといいですね。