Intelは12月3日、新型dGPU「Intel Arc B」シリーズを発表しました。
販売モデルは、「Intel Arc B580」と「Intel Arc B570」の計2製品。「Intel Arc B580」は、12月13日発売で価格は249ドル(約3万8,000円)。「Intel Arc B570」は、2025年1月16日発売で価格は219ドル(約3万3,000円)です。
B580はIntelから「Limited Edition」が用意される予定で、Intel以外のメーカーからは、Acer、ASRock、GUNNIR、Maxsun、ONIX、SPARKLEなどからも発売される予定です。
主な仕様
主な仕様は、「Intel Arc B580」がXeコアが20基、レンダースライスが5基、レイトレーシングユニットが20基、XMX AIエンジンが160基、クロックが2,670MHz、メモリが12GB、バス幅が192bit、ピーク演算性能が233TOPS、Total Board Powerが190W。
「Intel Arc B570」がXeコアが18基、レンダースライスが5基、レイトレーシングユニットが18基、XMX AIエンジンが144基、クロックが2,500MHz、メモリが10GB、バス幅が160bit、ピーク演算性能が203TOPS、Total Board Powerが150W。
いずれも電源はPCIe 8ピンを利用、インターフェイスはPCIe 4.0です。
最新のXe2アーキテクチャを採用
本モデルには、最新のXe2アーキテクチャを採用。ベースとなるXeコアが第2世代に進化したことで、ネイティブSIMD16対応に。ベクターエンジンを新たに設計したことで、SIMD16およびSIMD32命令をネイティブでサポートするALUを搭載。INT2/INT4/INT8/FP16/BF16/TF32といったフォーマットも対応する。また、256KBの共有L1キャッシュ/SLMが新たに搭載されました。
第2世代Xeコアは、従来のXeコアと比較して性能は70%、性能電力比は50%向上している。
ソフトウェアでの性能改善
ソフトウェアでは、AIによる超解像度の「XeSS Super Resolution(XeSS-SR)」や、ゲーム内の前フレームと後フレーム、モーションベクター、深度情報などを取得して、2つのフレームの間のフレームをAIが補間することでフレームレートを増やす新しい機能「XeSS Frame Generation(XeSS-FR)」と、ユーザー操作のタイミングに合わせたゲームロジックの動作やCPUレンダーキューを削減することで、操作から表示までのレンダリングパイプラインのレイテンシを削減する機能「Xe Low Letency(XeLL)」を搭載している。
ちなみに、「XeSS Frame Generation(XeSS-FR)」は、NVIDIAのAda Lovelace世代の「Optical Flow」技術に。「Xe Low Letency(XeLL)」は、NVIDIAのReflexに似た技術になっており、両者の機能は、いずれもゲームタイトルに対応している必要があります。
行列演算を行うAIエンジン
行列演算を行なう「XMX AIエンジン」は、Intel独自の最適化技術やランタイムにより、GeForce RTX 4060以上のLLM性能を実現できるとのこと。生成AI統合アプリとして「AI PLAYGROUND 2.0」を用意し、Stable Diffusionによる画像生成、画像のアップスケーリングやスタイル変更、AIチャットなどが利用できます。
オーバークロック機能
オーバークロック機能では、新たにV/Fカーブ(電圧/周波数カーブ)が変更できるようになり、標準では2.8GHz前後のGPUクロックを3.1GHz超えるオーバークロックを目指せる仕様になっています。
製品全体の性能向上率
GPU全体の性能は、B580が従来の「Intel Arc A750 Limited Edition」と比較して平均24%、最大で78%高速。一方で「GeForce RTX 4060」と比較して平均で10%程度高速になっています。