今年の2月、韓国のElectronic Timesが「Appleリング」に関する噂を報じて以来、「Apple Vision Pro」に続く新たなプロダクトシリーズになるのではないかと話題になりました。
ここで言う「Appleリング」とは、Appleが開発するスマートリングのことで、今年登場するとされている韓国Galaxyのスマートリング「Galaxy Ring」に対抗する形で登場するのではないかと言われています。
スマートリング業界では、Ouraが2015年に初めて製品を公開して以来、今ではおよそ半分のシャアを誇っています。現在、Ouraは第3世代目のOuraリングを販売しており、次期に第4世代目を発売するようですが、GalaxyやAppleがこの業界に参入してくれば、スマートリングのシャア率は大きく変わるはずです。
理由は、スマートリングのほとんどの製品は液晶がない、あるいは液晶がごく小さいという特性からスマートフォンとの連携が必然となるからです。世界のスマートフォンシャア率は、GalaxyとiPhoneが他社よりも圧倒的に群を抜いています。この状況で、自社のエコシステムで機能するスマートリングを発売すれば、製品としての機能性やソフトウェアの使い勝手、ブランド力で多くユーザーを獲得できるでしょう。
前置きが長くなりましたが、この記事では、今話題になっている「Appleリング」に搭載されると噂されているいくつかの機能を紹介したいと思います。
ヘルスケア機能
当然っちゃ当然ですが、「Appleリング」には、他社製品と似たユーザーの健康状態を管理するヘルスケア機能が搭載されるようです。心拍数、活動、睡眠、呼吸数を記録することで、その情報を用いて、ユーザーに睡眠に関する洞察と健康に関する推奨事項などを知らせます。
こういった機能は、OuraリングやUltrahumanの「Ring Air」、Movanoの「Evie Ring」などに搭載されており、「Galaxy Ring」にも搭載されるでしょう。そのため、「Appleリング」にも搭載されることは確実です。
同社の製品であるApple Watchには、高度なヘルスケア機能が搭載されていますが、手首に巻き付ける煩わしさがあります。外出時の装着は我慢できても、自宅や就寝時の使用はうっとうしくて外しているという方は多いはずです。
その点、「Appleリング」にはそういった煩わしさがないので、特に就寝時の睡眠トラッキングには重宝しそうです。また、スマートリングは消費電力が少ない分、スマートウォッチよりも長時間バッテリーが持つので、Apple Watchよりも長くユーザーの健康指標を測定できます。
ワイヤレス決済機能
ヘルスケア機能以外に、ワイヤレス決済機能が搭載されることが噂されています。
この機能は、「Galaxy Ring」にも搭載されるようで、「Appleリング」にもApple Payと連携させてた形で搭載されるかもしれません。
普段使っているApple Payがスマートリングでも使えたら、かなり便利そうです。
センサーを用いた筋肉収縮検知機能
この機能がAppleリングの一番の目玉機能と言っても過言ではないのですが、Forbesによると、Appleリングの外側に静電容量型センサー、内側に何らかの圧力センサーが搭載されるかもしれません。
Appleリングでは、このセンサーが筋肉の収縮を検知することで、リングを付けたユーザーのジェスチャーを解釈できるとのこと。この機能のおかげで、目と指の動きでコントロールする「Apple Vision Pro」の強力なコントローラーとして活躍するのではないかと言われています。Appleリングを取りけることで、Vision Proの操作感がより現実的なものになるかもしれません。
ただし、Forbesはこのセンサーを用いた機能は、まだ特許を出願した段階で、プロトタイプがない以上、必ず搭載されるわけではないとしています。
それでも、この機能が実現すれば、他社製スマートリング、特に「Galaxy Ring」に対して大きな差別化になります。
発売日
Appleリングの発売日について、MacRumorsは、Electronic Timesはアップルがスマートリングを真剣に検討していると報じたが、ブルームバーグのマーク・ガーマン氏は、アップルは現時点で指に装着するデバイスを積極的に開発していないと主張しています。
そのため、Appleリングの発売は当分先と思った方が良いかもしれません…残念ですが。
しかし、Galaxy Ringが発売され、話題になれば、Appleは予定を早めるはず!
なんにせよ、Appleリングの登場に期待しましょう!