Appleは、日本時間の5月7日11時から約40分にわたるイベント映像をライブ配信。イベント内で新型iPad Pro/Airとその周辺機器、M3の後継となる新型プロセッサ「M4」、ビデオ制作アプリ「Final Cut Pro 2」と音楽制作アプリ「Logic Pro 2」を発表しました。
この記事では、「M4」、「iPad Pro」、「iPad Air」について解説しています。
M4について
今回発表されたM4チップはiPad Proに搭載されているSoC(システムオンチップ)になります。第2世代の3ナノメートルテクノロジーを使って設計されたM4は、280億個のトランジスタで構成されており、高い電力効率を誇ります。M4の内部構成については、CPUが4つの高性能コアと6つの高効率コアの計10コア構成、GPUは10コア、Neural Engine(NPU)は16コア、RAMは16コアとなります。(ただし、これはストレージが1TB、2TBモデルのiPad Proに搭載されているM4であって、256GB、512GBモデルの場合は、高性能コアが3つに、RAMが8GBに減ります。)
Appleは、CPUとGPUの能力向上とワット当たりのパフォーマンスを維持することで、M2と同じパフォーマンスをわずか半分の電力で発揮。また、薄くて軽いWindowsノートパソコン(32GBのRAMを装備したCore Ultra 7 155H搭載Asus Zenbook 14 OLED)に搭載されている最新のPCチップと比較して、4分の1の電力で同じパフォーマンスを発揮できると述べています。
CPU
最大10コアのCPUには、改善された分岐予測機能や幅広いデコードエンジン、実行エンジンを搭載しており、両方のコアに強化された次世代のMLアクセラレータを備えることで、CPUに対して機械学習の強化を図っています。
今回のM4は、前世代のiPad ProのM2よりも最大1.5倍高速なCPUパフォーマンスを発揮。Logic Proで複雑な音楽ファイルでの作業やLumaFusionでの4Kビデオに対する負荷の高いエフェクト編集をかける時などに、強化されたM4が活躍します。
GPU
M4の10コアGPUは、M3チップファミリーの次世代グラフィックスアーキテクチャをもとにして設計されています。ハードウェアのローカルメモリをリアルタイムで動的に割り当て、GPUの平均使用率を劇的に高めるDynamic Cachingにより最も負荷の高いプロ向けアプリやゲームのパフォーマンスが大幅に向上。さらに、iPadで初めて利用可能になったハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングによりゲームやその他のグラフィックスを駆使する体験でさらにリアルな陰影と反射を表現できます。
Neural Engine
AIワークロードのアクセラレーションに特化したM4のNeural Engineでは、毎秒38兆回の演算処理が可能で、A11 Bionicに搭載された初のNeural Engineに比べて60倍高速になっています。この強化されたNPUは、リアルタイムの音声のキャプションに対応するライブキャプションや、ビデオや写真の中の被写体を識別する「画像を調べる」などのiPadOSのAI機能をデバイス上で実行するのに活躍します。
メディアエンジン
メディアエンジンとは、映像処理に特化したハードウェアアクセラレーションのことです。M4では、H.264、HEVC、ProResなどの一般的なビデオコーデックに加えて、AV1のハードウェアアクセラレーションを初めてiPadに搭載したことで、ストリーミングサービスでの高解像度の映像を高い電力効率で再生することができます。
iPad Pro
今回発表されたM4搭載iPad Proには、11インチと13インチの2モデルがあります。性能的に両者に大きな違いはありませんが、筐体の薄さが11インチでは5.3mm、13インチでは5.1mmと13インチの方が薄くなっています。
ディスプレイ
今回のiPad Proでは、ディスプレイに「Ultra Retina XDR」を搭載することで性能が大きく向上しています。この「Ultra Retina XDR」ディスプレイでは、2枚のOLEDパネルを使用し両方からの光を組み合わせ、圧巻のフルスクリーン輝度を実現する最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用しており、新しいiPad Proでは、SDRとHDRのコンテンツで1,000ニトのフルスクリーン輝度に、HDRでは1,600ニトのピーク輝度に対応します。
また、ストレージが1TBと2TBモデルでは画面への映り込みを減らすNano-textureガラスを選択することができます。
カメラ
バックカメラに搭載された12MPカメラと4つのマイクを使うことで、iPad Pro1台で撮影、編集、共有を行うことができます。前面の超広角12MPカメラは、新しく横向きの上部に設置されセンターフレームに対応したことで、Magic KeyboardやSmart Folioを取りつけた状態でのビデオ会議体験が快適になっています。
コネクタ
iPad Proには、Thunderbolt 3とUSB 4に対応したUSB-Cコネクタを搭載。最大40Gb/sの有線接続が可能です。また、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応。Wi-Fi + Cellularモデルも選択ができます。(今回のiPad Proは物理SIMではなく、eSIMとなっています。)
iPad Air
プロセッサ
iPad AirにもProと同じ、11インチと13インチの2モデルが用意されています。プロセッサにはM2を搭載。プロセッサ構成は、CPUが4つの高性能コアと4つの高効率コアを計8コア、GPUが10コア、16コアのNeural EngineにRAMが8GBとなっています。
カメラ
フロントカメラもProと同じ、センターフレームに対応した12MPの超広角フロントカメラが横向きに搭載されており、快適にビデオ通話を楽しめます。
通信
通信面では、AirもWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応していますが、SIMに関してはProと同じく、物理SIMではなくeSIMのみとなっています。
iPad Airは、今回発表された周辺機器のApple Pencil Proに対応しています。また、同じく発表されたiPad専用アプリ「Final Cut Pro 2」と「Logic Pro 2」にも対応しています。
カラーは、「ブルー」、「パープル」、「スターライト」、「スペースグレイ」の4色展開となっています。