ラピッドトリガーは、ゲーミングキーボードに搭載される機能の一つで、高速かつ正確な入力を可能にする技術です。特に、FPS(First Person Shooter)ゲームなど、一瞬の判断が勝敗を分けるようなゲームにおいて、その真価を発揮します。
ラピッドトリガーの仕組み
一般的なキーボードでは、キーを押すとある程度の深さまで押し込まれることで押されたという入力信号が送信され、ある程度の深さまでキーを戻すと、離れたという入力信号が送信されます。この深さを「アクチュエーションポイント」と呼びます。ラピッドトリガーは、このアクチュエーションポイントを極限まで浅くしキーの反応速度を上げ、さらにキーを離す際の反応速度も向上させることで、より高速な入力が可能になります。
逆に、ある程度の深さまでキーを戻すと、離れたという入力信号が送信されますが、この深さを「リセットポイント」と呼びます。
この「アクチュエーションポイント」と「リセットポイント」は、製品の仕様範囲であれば自由に設定が可能で浅くしたり、深くしたり調整することができます。ネットサーフィンや動画視聴など、一般的なPC操作には速いキーの反応速度は求められないため、「ラピッドトリガー」は必要されませんが、一瞬の油断で勝敗が決まるようなゲーム環境では重宝される機能となっています。
具体的には、以下の2つの要素がラピッドトリガーの仕組みを支えています。
- 磁気スイッチまたはホールセンサー: キーの押し込み量を検知するセンサーとして、磁気スイッチまたはホールセンサーが使用されます。これらのセンサーは、従来のメカニカルスイッチよりも高精度で、より少ない力でキーを押すことができます。
- ファームウェアによる制御: キーボードのファームウェアは、センサーからの信号を解析し、入力信号を生成します。ラピッドトリガー機能では、このファームウェアが、キーの押し込み量と離す速度に応じて、最適なタイミングで入力信号を送信するように調整されています。
ラピッドトリガーのメリット
ラピッドトリガーのデメリット
ソフトウェアの進化で真のラピッドトリガーに
前述したラピッドトリガーの特徴であるキーのストロークを調整できる機能は、従来のキースイッチと比較して活気的ですが、これには欠点として「リセットポイント」は必ず「アクチュエーションポイント」より浅くなるという問題があります。「アクチュエーションポイント」を調整してキー入力は速くなりますが、キー入力がオフになるまで時間が掛かってしまうのです。
そこで、最近のゲーミングキーボードはソフトウェアを進化させることで、この弱点を補っています。仕組みは、キーが下に動いている間は入力オン、キーが上に動いている間は入力オフと認識させることで、「アクチュエーション」と「リセットポイント」に関係なくキー入力を可能にするというものです。
1つのポイントを通過することで入力のオン・オフを認識していた従来のやり方よりも速い反応速度を引き出せることから、この仕組みが真のラピッドトリガーとされています。
まとめ
ラピッドトリガーは、ゲーミングキーボードの進化を象徴する技術の一つです。高速かつ正確な入力を求めるゲーマーにとって、非常に魅力的な機能と言えるでしょう。しかし、誤入力のリスクや価格といったデメリットも考慮し、自分に合ったキーボードを選ぶことが重要です。