VRRとは
VRR(Variable refresh rate)とは可変リフレッシュレートのことで、GPUのフレームワークとディスプレイのフレームレートを同期させる技術のことです。お互いを同期させると、フレームワークがディスプレイのリフレッシュレートについていけず、映像がカクカクしたり固まるスタッタリングや、古いフレームと新しいフレームが同時に画面に表示され複数の映像が混ざり合ったように表示されるテアリングなどを解消できます。
下の画像はティアリングの例です。古いフレームと新しいフレームが交互に交じり、上下でズレが生じています。
テレビ放送やBlu-rayビデオ、Youtubeなどの動画視聴では、リフレッシュレートは固定されていますが、PS5やSwitchのようなゲーム機やPCでのゲームプレイでは、各機器に搭載されているGPUが生成するフレームレートによって、表示できるリフレッシュレートが変わってきます。
ゲーム内でのプレイ状況によって、きれいな景色やNPCがいない単純なゲーム映像の時と、多くの複雑な建築物やきれいな景色、多くのNPCが動くゲーム映像の時とでは、GPUにかかる負担が違っていきます。そのため、ゲーム内の状況によってGPUのフレームレートが変化します。
一方で、ディスプレイ側は一定のリフレッシュレートを出そうとするため、お互いがうまく連携できず、スタッタリングやテアリングといった現象が起きてしまいます。広大な自然や都市景観を映していても、こういった現象が起きれば、せっかくのきれいなグラフィックも台無しです。VRRは、そのような現象を改善するために、フレームワークとリフレッシュレートを同期させることで、ユーザーのゲーム環境を快適にします。
VRRを使うにはハードウェアが対応していないといけない
VRRを使うには、映像出力を行うGPUやゲーム機器が対応していないと使うことができません。また、モニター側もVRRに対応している必要があります。
設定方法は、まずモニター側の設定画面でVRRをONにします。次に、それぞれの機器に応じた設定画面を開きます。NVIDIAのGeForceを使っている人はNVIDIAコントロールパネルからG-SYNCの設定をONにします。
AMDのRadeonを使っている人はAdrenalin Editionの設定画面からディスプレイタブを開き、AMD FreeSyncをONにします。
PS5の人は設定画面の「スクリーンとビデオ」からVRRを自動と設定します。
Xboxの人は「設定」>「全般」>「TVとディスプレイのオプション」>「ビデオモード」と進み、「可変リフレッシュレートを許可する」にチャックを入れます。
60fps以上だと効果が薄い?
ちなみに、フレームレートが60fps以上だとVRRの効果が薄いみたいです。理由は60fps以上だと映像が十分スムーズだからだそうで、体感的にVRRの効果が分かりにくいそうです。 VRRの恩恵が一番感じられるのは、30fps~60fpsの範囲内で揺れ動くときで、かなり重めのゲームに組み合わせたときがわかりやすいそうです。
参考記事:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1460893.html
Apple製品のProMotionテクノロジーはVRRによるもの
Apple製品に搭載されているProMotionテクノロジーとは、デバイスの使用状況によって、ディスプレイのリフレッシュレートを最大120Hzまで変化させることができる機能のことで、VRRと同じ機能を持っています。この機能のおかげで、iPhoneのProシリーズでは1Hzまでリフレッシュレートを落として消費電力を抑える常時表示ディスプレイが可能になっています。
また、iPhoneだけでなく、Android機種にもProMotionテクノロジーのような可変リフレッシュレートを搭載している製品が多くあります。
まとめ
ここでは、VRRについて解説しました。VRRはフレームレートとリフレッシュレートを同期させることで、スタッタリングやテアリングといった映像の不具合を改善する機能です。また、VRRを用いて、リフレッシュレートを下げることで消費電力を抑えるといった使い方もできます。興味のある方はぜひ試してみてください。