LPDDR5とDDR5の違いとは?
メモリ(RAM)には様々な規格や型名などがありますが、DDR5はそれらのうちの1つです。そして、DDR5の派生規格がLPDDR5になります。共通しているのは、どちらもメモリ(RAM)ということですね。
DDR5
DDR5はDDR4の改良版です。2020年に規格が策定され、現在は徐々にDDR5への移行が進んでいる最中です。
そもそもDDRとは、DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)のことで、個々のクロック信号の立ち上がりと立下りの両方を使って回路を駆動することで、従来の信号の立ち上がりだけを利用していたSDR SDRAM(Single Data Rate SDRAM)よりも伝送効率が2倍になりました。
その後、メモリの転送速度が上がるとともにDDR2、DDR3、DDR4と登場していき、現在は第5世代目のDDR5に至ります。頭文字のDDRだけで呼ばれるようになったのは、後ろにSDRAMと付けるのが単に面倒くさいからだと思います。(詳細は分かりませんが)
ちなみに、SDRAMとはSynchronous DRAMのことで、バスからのクロック信号に同期してコンピュータの制御を行うメモリのことです。後ろのDRAMは(Dynamic Random Access Memory)という意味で、メモリ(RAM)の大元になります。DRAMは一定期間ごとにデータの再書き込みを行う動作「リフレッシュ」が必要ですが、SRAMという「リフレッシュ」が要らないメモリもあります。
LPDDR5
LPDDR5とは「Low Power DDR5」のことで、DDR5の派生規格になります。名前の通り、低電圧・低電力の仕様となっていて、主にスマートフォンの端末に使用されます。パソコンのような高電圧・高電力を必要としないスマートフォンでは、LPDDR5のようなメモリ規格が適しています。
また、LPDDRではDDRで用いられなかった「X」が「LPDDR4X」のように規格名の後ろに付くことがあります。現在の最も新しいLPDDR規格は「LPDDR5X」で、最新のスマートフォンにはほとんど「LPDDR5X」が搭載されていることが多いです。さらに、この「LPDDR5X」をバージョンアップさせた「LPDDR6」は、2025年に策定されると言われています。
DDRには他にも、GDDR(Graphics DDR)という主にGPUが使用するための専用のメモリ規格があり、VRAM(video RAM)と呼ばれることもあります。
違いは電圧と電力
LPDDR5とDDR5の違いは、主に電圧と電力です。パソコンとスマートフォンでは、必要とする電圧と電力が大きく違うため、メモリをスマートフォンに適するよう改良したものがLPDDR5になります。
それぞれの名前は似ていますが、現在普及しつつあるのがDDR5で、去年まで使用されていたのがLPDDR5(現在はLPDDR5Xが主流)といった普及時期の違いもあります。
まとめ
以上、LPDDR5とDDR5の違いについて簡単に解説しました。メモリに関する名前はほんとに多いのでややこしいですね。参考にしていただければ幸いです。